宮田 篤郎 (鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科 生体情報薬理学)

「ペプチド性神経栄養因子PACAPの機能の多様性」

Pituitary Adenylate Cyclase Activating Polypeptide (PACAP)は、生体内に広く分布し、その生理作用は、神経系、内分泌系、循環器系、免疫系と多岐にわたる多機能神経ペプチドである。中枢神経系において、neurotransmitter或いはneuromodulatorとしての機能の他、一過性全脳虚血後の遅発性海馬ニューロン死や、種々の神経細胞死を抑制することなどから神経栄養因子としての機能が現在注目されている。本日は、現在、神経細胞への直接作用とグリアや血管を介した間接作用の両面から統合的に進めつつあるPACAPの神経保護作用の分子メカニズムの解明に関する知見とともに、PACAPの生理活性の多様性に寄与するPACAP特異的受容体PAC1の分子的多様性と細胞内シグナル伝達に関する新たな知見を紹介する。